ラオカイ〜バックハー〜サパ
朝6時、定刻どおりラオカイ到着。となりで寝ていた欧米人夫婦はダッシュで車両から降りていく。乗務員に「食堂車で朝食の準備が出来ております」と言われるが(到着後も食堂車でメシが食える)、そんな朝っぱらから食欲ないのでパス。とりあえず列車降りて改札抜けてひといきつこう。ラオカイ駅前はまあ日本の田舎のちょっと大きめの町の駅ってかんじ。 長官「今降りる時に別の部屋チラっと見えたんだけど、二人部屋ってちゃんと別にあるじゃんかよ〜(怒)」 俺「わかったわかった 帰りの列車はちゃんと変更しとくから」
![]() で、このラオカイからサパまで豪華送迎車にて優雅な旅の予定なのであるが・・・駅には車はいっぱいとまっているもののなにがなにやらさっぱりわからず。荷物降ろしてくれた乗務員に「ここらへんで待っていてくれ」と言われる。15分くらいすると泥だらけの豪華ライトバン登場。クーラー当然壊れ。トヨタ車ってところが豪華なのかな。しかし隣にあったヒュンダイ車のほうが新しい分だけより豪華に見えるんだが。長官はもう何がどうなっても全然平気な模様。
ところでこの豪華ツアーであるが、ハノイからの列車から送迎から全部ビクトリアホテルというところが一括して取り仕切っているのだが、予約のときに「ではアドベンチャー・ツアー二名様承りました」と言われたことを思い出した。豪華ツアーなのにアドベンチャーとはこれいかに。 ライトバンには俺たちのほかにさっきの寝台の夫婦とは別のスイス人老夫婦が一組。なぜスイス人と思ったかというとトランクにでっかいI.C.R.C.(国際逆十字委員会)のステッカーはってあったから。おまいさん休暇中もそんなに医師の仕事したいんかい。それともこれから行く道は山賊が出るので襲撃の予防とか? とりあえず今は話するのもタルいんで俺も逆十字だとかは言わないでおく。 ![]() 運転手が朝メシのフォーを食い終わるのを待ってライトバン発車。今日の日程は豪華ガイド付。英語ガイドであるがコイツの英語がまた聴き取りにくい。ラオカイの町の川沿いに茶畑があるんだが、ガイドが「あそこではグリーンティを作っています」老夫婦「グリーンピース?」こんなかんじ。ラオカイの町を出るとすぐにガタガタ道。現在道路建設中らしい。メチャメチャ揺れて時速5キロくらいで走行。しかも道路がぬかるんでいていつスタックしてもおかしくない。スタックしたらやっぱ外に出てみんなで押すんだろーなー。3時間くらいガタガタ道にゆられてケツが割れそうになった頃、山賊の襲撃もなく無事バックハー到着。疲労がちょうどいい程度に長官の怒りエネルギーを減じてくれたらしく、このあたりからやっと長官が口聞いてくれるようになる。
![]() バックハーは山あいの村で、ふだんはなんにもないとこだが週末になると付近の少数民族がやってきてマーケットを開く。花モン族の衣装が目立つ。朝食食ってないのでとりあえずレストランでメシ。やっぱフォーでしょう。きのうもホテルでフォーは食ったんだが、やっぱ町の食堂の方がんまい。
![]() メシ食ってマーケットを散策。鳥・豚が生きたまま売られてるのはいいとして・・犬もいるなあ。この犬はどう考えてもペットで飼うのではなさそうだよなあ。あと花モンの服とか刺繍とかみやげ物っぽいものとかも売っている。観光客多し。長官がフランス統治時代の古銭?メダル?みたいなものが欲しいと言う。値段を聞くと300.000ドン。安いのか高いのかぜんぜんわからん。でもなんとなくそれは高いような気がする。とりあえず値切らなければなるまい。俺「二枚買うから500.000ドンにしてくれ」売り子「二枚? それなら800.000ドンです」ハア? おまいら足し算できますか? 俺「それなら1枚でいいよ」 売り子「1枚なら500.000ドンですね〜」ふつう値切り交渉っていうのはだんだんと安くしていくもんじゃないのか? インド人でもだんだん値をつりあげるってこたなかったぞ? 俺「別なとこで買おう」売り子「わかりました。仕方がない。800.000ドンで手をうちましょう」全然手を打ってない。帰ろうとするとその他のこまかい古銭やら土産物やらもオマケに付けてくれるがオマケ全部あわせても100.000ドンはしないだろうなあ〜。ま、いいか。これ以上交渉してももっと高くされるような気がするし。古銭二枚とオマケいろいろ全部で800.000ドンで落札〜。最後に「合計1000.000ドンになります」と言われたがそれはさすがに無視。まあまだ市場経済ってのがわかってないんだろーなあ。ていうことはそんなに損したワケでもないんかな。
その他花モンのリカちゃん人形などもあったが服の作りがザツなので買わず。長官は絶対銀製じゃないシルバーのアクセなども購入。20.000ドンくらい。買い物終わってガイドと待ちあわせの場所に帰ろうとするが、マーケットが意外に大きく、一瞬迷子になる。しかし結局運転手が寝てて2時間くらい出発が遅れたので無問題。逆に時間余ったのでベトナムコーヒーなど飲んで待ち。
![]() 再び豪華ライトバン出発。パックハーを出てさっききたガタガタ道をラオカイに戻る・・ 老夫婦・夫「あれ? この車はラオカイに戻るのか? サパのホテルに行くんじゃないの?」 ガイド「サパに行くためには、いっかいラオカイに戻らなきゃいけないんですよ」 夫「なら最初からサパに行ったほう早かったんじゃないのか・・」 ガイド「こういうツアーなんですよ」 なるほどこれがアドベンチャーツアーか。
さっきと同じ道を戻り、そこからさらに2時間くらいガタガタ道。途中一瞬だけ立派な道路があったが1キロくらいで終了。まああと1年くらいすれば道路できるんじゃないかな。しかし橋とか足りないらしく、途中で鉄道と道路が共用の鉄橋を渡ったりしてスリルとサスペンス。山を登りつつ、ようやくサパ到着。
![]() ホテル到着後、すぐにフロントに帰りの列車の寝台を「二人部屋」に変更してもらうよう頼む。フロントマネージャーはフランス系の若いねーちゃん。 マネージャー「(フランス訛り英語)あらあら〜それはたいへんでしたわネ〜でも列車の予約は明日から開始なんでシルブプレ〜おっと御心配なくっ! ホラあなたの名前をこうして予約帳のトップにBook! これで明日以降にもいちどフロントに来られぜマス〜」 一抹の不安はあるもののとりあえずこれで帰りはよし・・
部屋はけっこう広くていい感じ。夕方くらいまで部屋でダラダラしてると、外には霧が広がってくる。かなり深い。その霧の中、突然聞こえるなぞの笛の音。何奴? フルートとリコーダーの中間のような音色。ここらへんの民族音楽なんかな。窓から霧の中で笛吹いてる人影発見。たいへん怪しげでよい。
![]() 今日はたいへんに疲れたので晩メシはホテル内のレストランですませる。メニューは・・チーズフォンデュ。ラクレット。あ、このホテルはスイス資本か〜。でもベトナムに来たんだからちゃんとベトナム料理を注文する。俺はカエルと魚を食う。カエル骨多し。魚はんまい。ニョクマムはほとんど醤油なので焼き魚定食だ。長官は炊込みご飯を頼むが残す。俺もちょっと食べるがなんかうまくない。俺の皿にもつけあわせ的に白ゴハンが付いてるんだが、これも微妙にマズイ。パサパサというか。ニオイはうまそうなんだけどね〜ゴハン。俺も長官もタイ米は好きなんだが、このゴハンはおいしくない。このホテルだけなのか、ベトナム全体がそうなのか。パンはんまい。隣のテーブル一家が頼んだラクレットがもうれつに臭いのでこれにて食事終了。
と、またここで笛の音が・・近い。どこだ。レストランを出ると・・レストラン真ん前にさっきの笛吹きがいた。モン族の服を着たおっちゃん。一本5ドルで手作りの笛を売っている模様。
笛吹き男「お前は日本人か」 俺「うん」 笛吹き男「(指を一本出して、『まあ聞け』のポーズ) ♪〜」 俺「おお、荒城の月・・・」
俺も吹いてみたいので笛を買う。一本一本のチューニングが違うのでC調になっているものを選ぶ。基本はリコーダーの指使い。
俺「♪〜(荒城の月)」 笛吹き男「違う。♪〜」
おっちゃんの笛はどうやらB♭なんで同じメロディーにならない。長官も挑戦する。うまくいかず終了。
部屋にもどりウエルカムサービスの地ワインを飲む。養命酒味。テレビでフランス2ちゃんねるを見る。トップニュース「日本と中国 緊張関係続く」CNN・BBCも同様。中国でのデモの様子と、日本の学校で授業してるシーンから教科書のアップ。どうやら他の国的にはコイツらまた日中戦争やらかすかもしれない、と考えている様子。フランスのニュースでは「いやー歴史教育って重要ですよね〜」と皮肉っぽいコメントをしていた。ベトナム国営放送はその件の報道ナシ。
明日の予定は特にナシ。ダラダラまったりしつつ寝る。
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