成田〜北京〜テヘラン 成田などという腐れ空港はもう金輪際使うまい、と思っていたのだが、なにせイランに一番早く安く行く方法が成田からのイラン・エア便だったのでしょうがない。モスクワ経由のエアロフロートで行くと前後3日くらい余計にかかる。まあ1回くらいは世界に冠たるお笑い曲がり第2滑走路でも見にいくか。しかしディズニーランドの土地は買収できても、国際空港の土地は買収できねえっつんだから笑える国だよな。
さて、イラン入国に際して。アルコールとかポルノ類は持ち込んだら良くて没収、悪くてタイーホ。羽田〜成田でヒマだったんでイブニングとマガジン買ったんだが、イブニングはヤング島耕作・マガジンは水着グラビアがアウトだと思われたので成田に放置。あ、あと実は出発前日、機内で読もうと思っていた文庫本の中に内田春菊(漫画)をデス見沢 zan が早期発見、既に早期摘出を完了。
イラン・エアは案外近場のゲートだった。デス見沢 zan が「最後のビール飲みたい」というのと、エア・インディアの時みたいに8時間遅れとかになったらヤなので、搭乗口近くのメシ屋でメシ。あとなんか地球の歩き方に「1000ドル以上の外貨持ち込みは小銭まで全部申告しなければならない(実際はそんなことはなかった)」とか書いてたので、小銭も全部使いきる目的で。 メシ食って、待合室に。なんか男ばっかし。たまにいる女子は千と千尋のカオナシ状態。いちおうバラナシで買たデス見沢 zan 用ヴェールとイスラムコートは持ってきたが、ホントにいいのだろうかこれで。俺たちの隣座っていた日本人ばーちゃん(たぶんツアー)もスカーフ巻きはじめた。もう? と思ってると、向かいに座っていたイラン人夫妻から「まだここではやんなくていいんですよ」と日本語でアドバイスされる。
なんと、イラン・エア定時に出発。必ず遅れる飛行機って、ひょっとして世界でエア・インディアだけとか? 機体はボーイング。あれ、ボーイングってアメリカの会社・・・まあ固いことはいいか。坊主憎くても袈裟までは憎くないっつーことで。飛行機の中にはとうぜんお祈りブースがある。イランのイスラム教は「シーア派」なので、朝と寝る前以外のお祈りの時間の1回をいつやるかは自由らしいから(シーア派の祈りは一日3回、ちなみにスンニ派が5回)、飛行中でも皆定時になったら機長も含めていっせいにお祈り、ということにはならないらしい。しない人も多いし。そもそもコーランに「旅の間はお祈りは免除もしくは簡略化してよい」と書いてある。まあスンニ派(イラン以外でのムスリムの多くをしめる正統派)はどーなのかわからんけど。キリスト教で言えばスンニがカトリック、シーアがプロテスタントみたいなもんか。
出発前の避難経路の確認とかのビデオ。とりあえずたぶんコーランからの引用で難しいアラビア語が流れる。たぶん「道中の無事を祈る」とかそんな感じの。続いてスゲーダイナミックなCGでイラン・エアのタイトルバックが。砂の中から「DORBY」って出てくるような。おお、イランエアすげー、近代的ー、とか思ってると急に1970年くらいに作られたようなショボいフィルムになる。それとこのBGMが、たぶんイランの「さくらさくら」みたいなトラディショナルな歌なんだろーが、また悲しいというか貧乏くさいというか。で、こういう曲なんだけど、誰かこの曲のタイトル知らねえ?
(3/4で) レ♭ード/シ♭ーラ/シ♭ーレ♭/ファー/ ミ♭ーファ/ファ♯ーシ♭/ファー/ / レ♭ード/シ♭ーラ/シ♭ーレ♭/ファー/ ミ♭ーレ♭/ドーレ♭/シ♭ー/ /
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途中、いっかい北京空港に着陸。酔っぱらった中国人多数機内に乱入する。しかしなかなか飛び立たない。「書類上の不備があったために」(さすが共産圏)ということで北京空港に足止めくらう。その間に中国航空公司の飛行機がばんばん離着陸している。中国人だんだん騒ぎだす。「(憶測)どーなんとんじゃ! いつまで待たせる気だ! 担当者出てこい!」とか中国語でイラン・エアのアテンダントにつっかかる。いや、中国側がゴネてるおかげで飛び立てないんだから、文句はアテンダントでなくて中国政府に言ったら? 死刑になるかもしれんけど。 2時間遅れで北京を出発。アフガンの北側を通過。カブールスゲー近え。あとメタクソ揺れる。実はまだ空爆続いてんじゃねーのか。そーいやタリバンていうかオマル師は半年前「アフガン上空を飛ぶ飛行機は全部撃ち落とす」とか言ってたんだよなあ。
ま、とりあえず2時間遅れでテヘランに到着。街でけえ。超都会。入国審査うけて両替。一万円出したら60万リアルの札束になってきた。あ、両替所で並んでたらなんかイイ年のイギリス人が横入りしてきた。パスポートに10ポンドくらいのワイロはさんで。両替所職員は笑って「そんなもん受け取れませんよ、ちゃんと並んでください」と言ってたが。お前ら自分の国では「列ちゃんと並べ」って言ってんのに、外国来たらソレかよ。とうぜん俺も「列は並びましょうね」と言ってやったが。アジアンに道徳を説かれた気分はどうだったかね、イギリス人?
![]() 深夜2時に到着にもかかわらず、到着ロビーは出迎えの人で大混雑。でもあインドの時よりはマシかな。さっそく白タクの運ちゃんが声かけてくる。めんどくさいのでまあこの車でいいや。 ・・・・・なんか、車にいく途中、運転手の他にホメイニみたいな人がついてきてるんですけど。誰? 車に乗るととりあえず料金の交渉。するとホメイニが「ホテルまで100ドル」とかわけのわからんことを言い出す。ははあ、この白タクの元締めってことか。 俺「ああ? 何言ってんの? リエルじゃなくてドル? 高すぎるよ」 ホメイニ「100ドル100ドル。それが相場だ」 俺「ドルなんてもってねーよ(嘘)。全部リエルにしちまった。残ってるのは円だ」 ホメイニ「・・・まあ、円でもいいが。100ドルを円になおすとどのくらいになるんだ」 俺「まあ、いいとこ3000円ってとこかな」 ホメイニ「・・・・よし。交渉成立だ」 俺「(ヨシ、勝った)」
夜の大都会テヘランを疾走するボロタクシー。道広い。高速道路は当然タダ。しかし街全体がなんか石油くさい。 運転手「なんかごたついちゃったけど・・・これでイランを嫌いにならないでね」 俺「え? ・・・ああ、こんなんインドに比べれば全然ノープロブレムですよ」 運転手「それじゃ改めて・・・Wellcome to IRAN!」 俺「ああ、それはどうも・・モテシャキラン(ありがとう)」 まあ、その後いろいろ世間話して。インドみたいに違うホテルに連れてかれることもなく、無事目的地アザーディ・グランド・ホテルに到着。まあ100ドルを3000円にしたのはちょっとアレだから運転手に1000円あげる。あの元締めにやるよりゃいいだろ。 しかし、その後イランにいるうちに、空港からホテルまでのタクシー代などは高くても50,000リエルであったことを知る。
また負けた。(ちょっとだけど) |