my LIFE as HERMIT
「ドイツの科学力は世界一ィ!変」(その1)

(文中1マルク≒1ギルダー≒100円(レートではなく、日本の感覚として。レートでは60円くらい))

千歳〜アムステルダム〜ミュンスター
 

 2年振りのヨーロッパだ。
 

 前に行ったのはロンドンだったが、ヨーロッパはやたら礼儀というかマナーにうるさい。まあロンドンだけで判断するのはアレだがきっとそうに決まってる。ロンドンのパブにこ汚い格好ではいったらいきなり店中の人間がこっち向いたしな(自意識過剰)。しかもいつまでたっても注文取りにこないから「あ、これはアジアンに対しての差別が行われているに違いない」と思ってヒト暴れしようと思ったが、カウンターで注文してしかも代金引き換えなんだもんなロンドンのパブわ、ということに気がついた。30分くらいずーっと店中の人間からスゲーうさんくさい目で見られて続けてた。誰か教えれっつーの。
 

 まあ秩序は俺も嫌いではない。前回のインドでは秩序もクソもなかったしな。俺はインド帰ってきてからずっと行動パターンがアジアン・モードとなっているため、これでは欧州列強に植民地にされてしまう。したがって日本を出発する前よりヨーロピアン・モードに思考回路を変更しておく。うむ。何事も合理的に紳士的に秩序正しく。本来の俺はこういう紳士的な人間なのだ。それに今回は一応学会出張だし。
 

 で、去年(平成10年)の十月から千歳空港からアムステルダム行きKLMが就航している。あのクソ面倒くさい羽田〜成田の乗り継ぎをしなくてもいいわけだ。関空にしたって乗り継ぎはめんどい。って目的地はアムスでなくてドイツじゃなかったっけ? という質問があるだろう。ふふふ。青いな。KLMを始めとするヨーロッパ航空会社各社はユーロウィングを始めとする各種近距離航空と連携しているため、接続もいいし、荷物も直で最終目的地まで持ってってくれるのだ。だから日本で乗り継ぎするよりも海外で乗り継ぎするホウがずっと楽だし、運賃も安い。
 

 今回は某長官と二人旅であるので、まああんまりムチャな行動はできない。と自戒しつつ旅行開始。今回は何と旅の必殺兵器「キャスター付きトランク」を事前に購入! これで長距離の旅もグーンとお得に! とか考えつつ千歳行きエアポートに乗車。混んでる。えーと、開いてる席は…

 「おい、ちょっと待てや」
 

 うーん。車内で誰かがインネンつけられてるなあ。誰だろう。まあいいや、俺には関係ないことだし。

 「待てっつってんだよコラ。俺の寄りかかってるホウの扉を開けるんじゃねーよ。あやまれコラ」

 ふと振り返って見ると、一世風靡セピア風スーツを着たチンピラが俺にガンを飛ばしていた。なーんだ、俺に向かって言ってたのか。そーかそーか。

 当然売られたケンカは買うのが礼儀というもの。下から見上げる様に全身から最強に邪悪なる殺気をこめて、突き刺すように目線を射るべし、射るべし、射るべし。「…殺すぞコラ」声に出すとモメた時に不利になるので口だけ動かす。30秒くらいガンの飛ばしあい。向こうが目線をそらす。勝った。ケッ口程にもネエ。あれ、他の乗客の皆さん、なに同心円状に広がってんですか。まあいいか。さーて開いてる席は…あ、長官が先に行って席をとってくれていた。もちろんこの事は長官は全く気がついていない

 「あれ、ちょっと遅かったねえ? トランク重いか?」
 「あ、混んでたからちょっと。別に重くはない」

 あれ、なんか車掌が血相買えてさっきのチンピラのいた車両にすっとんでいくぞ。誰か他の乗客に八つ当たりでもしてんのかなあ、さっきのチンピラ。まあ眠いからどうでもいいや。俺には関係ないことだし…(関係ないのか?)

 

 ツアー客が来ると出国審査が混んでウザイので早めに済ませておく。千歳は国際便が少ないので待合が狭い。ツアー客が来るとトイレ、特に女子トイレに異常なほど長蛇の列が並ぶ。搭乗時刻になってもまだかなり並んでいる。いいのか、トイレあれで>千歳

 KLMアムステルダム行きはボーイングの新しい機体。中もきれい。電話までかけられる。席につこうとすると、二人組の女子から「すいません、わたしたち3人組なんで、ちょっと席をかわっていただけますか」と言われる。いままでの旅の経験上、こういう場合は交換したほうが得なことが多い。交換した席に行くと、搭乗口の前の、前の席がないゆったりとした席。ラッキー! 思いきり足を投げ出して超ダラシナイ格好でリラックスする。当然靴も靴下も脱ぐ。あ、靴で思い出したが、当初俺はサンダルでドイツまで行く予定だったが、出発する時、長官母に「頼むから靴をはいていってくれ」と言われて靴を貸しだされたのだ。

 だいぶ旅慣れたのと座席が快適なことから、あっちゅー間にアムス到着。電車のように楽だった。
 待ち時間は2時間。とりあえず1000マルクと100ギルダーを両替。お約束としてバーに飲みに行く。当然かなんかしらんがハイネケンしかない。とりあえずソレしかないから頼むが、ハイネケンなど何処に行ったって同じ…ウマイ! これは樽だからか。あと気候か。内地行くとキリンラガーウマイのと同じ原理か。まあドイツのビールも飲みたいのでここでは一杯くらいで勘弁してやろう。それでも1リットルだったが。

 ナチ収容所のように詰め込まれた近距離用待合室でしばらく待った後、バスでプロペラ機へ。25人乗りくらいか。雷雲の中を大揺れに揺れながらミュンスター/ドルトムント空港到着。小さい。帝国の空港くらいの大きさ。で、荷物受け取って、…出口に警備員がいるな。荷物のタグを見せなければいけないのか。おや、警備員が何か言ってきたぞ。

 「 L7` R・?d/31`&/??n?」
 「はあ?(英語)」
 「 L7` R・?d/31`&/??n?」

 ヤベエ、ドイツ語だ! しかも英語も通じないらしい! ドイツじゃ英語通じるって言ったじゃん! 山下洋輔のウソつき! OK、OK、で通す。通った。あとタクシーを…「Wo Taxy ist?」でいいのか…もう男性名詞だの女性名詞だの知ったこっちゃネエ。

 …通じた。空港前の乗り場から無事タクシーに乗り込む。インドでの悪い思い出から、ぜんぜん違うホテルに連れていかれるんじゃないか、ともチラと思ったが全然そんなことはなく無事にホテルにつく。ポーターもつかないカジュアルなホテルだ。内装も機能重視。ベッドはあの例のギチギチのシーツでもなくて寝やすい感じ。今日はつかれたので寝る。…と思ったが、でもまあせっかくドイツなんでビールでも…備え付け冷蔵庫がないな。ホテル外のキヨスク(売店)に行って缶ビールと、あとわけのわからない蒸溜酒を買う。ビールうまし。しかしここ、まるで駅前のホテルなんだな。夜中まで列車の音がガーガーする。安いからしかたねーか。


ミュンスター駅前通り 3軒隣の映画館ではスターウォーズとマトリックスやってた

つづく

ドイツの科学力は世界一ィ!デス見沢・F・デス彦変

印度でわしも考えた変

「隣の印度人変」

「大阪変」「ハッカー変」

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