my LIFE as HERMIT


「チベットだけよ」「あんたも好きねェ」変(ブータン・ネパール その3)」

(文中1ニュルタム=2.5円)

 

ブータン:ティンプー〜パロ

 

よく寝た。15時間くらい寝た。しかし寒いな。10度くらいか。現在は4月初め。外は雨。ガイドとは午前11時に待ちあわせ。まだ10時前だ。昼メシが近いので朝メシは食わないでおく。

テレビをつけるとインドのMTV(MTV india)やってる。ディスカバリーやBBCもある。衛星放送あるからチベットの山ん中でもテレビ見れるんだなあ。ブータン国営放送の地上波もあるらしいがどれかわかんなかった。

ダラダラとテレビ見ながら、今日またホテル移動があるので荷物をトランクに入れなおす。

 

11時になったのでロビー集合。予定だった尼僧院の見学はめんどいからナシということで。

 

これからの予定は、とりあえずパロに戻り、パロのホテルにチェックイン。そして昼メシ食ったあと、寺とか寺とか寺とかを見学する。車で移動。気温が低くてなごむ。途中寺の形をしたガソリンスタンドを通っていく。ここのスタンドはガイドブックにものってる名所らしい。

 

名物ガソリンスタンド

 

パロに向かう国道沿いに、ちらほら山菜だの豆だのを売ってる販売所あり。日本にもよくあるヤツ。観光客というより地元の人向けだろう。途中でタクシーが事故っていた。事故ったタクシーの運転手同志もガイドも全部顔なじみらしい。「だいじょうぶか」「ああ、なんとかなりそうだ」(類推)とかいう会話をして、再びパロまで向かう。

 

道の途中にいきなり出現する

 

パロ市街地を抜け、山の中にはいっていき、ホテル・ガンテ・パレス到着。なんかすごい。ここはもともと城だったらしい。古城ホテルってやつですな。部屋にはテレビナシ電話ナシ部屋の鍵は南京錠。いいねえ。やっぱブータンはこうでなくちゃ。トイレはインド式ででかいパケツがある(紙もちょっとある)。

 

部屋の鍵は南京錠

 

ここでインド式トイレの正しい使用法をレクチャーしてしんぜよう(以前書いたかも知れんが)。よく「インド人は不浄な左手を使って尻をふく」とかいうわかったようなわからんような風説を信じてウンコを直にさわっちゃったりする素人もいたりするワケであるが、そんなバッチイこと誰もしてませんて。

まずデカいバケツに温水をタップリためる。で、だいたいは注ぎ口付きの手桶がついているので、用をたしたら、それで自分の背中のくぼみのあたりからチョロチョロと温水を流す。洋式でも和式でも、こうすると水は尻の割れ目を伝ってちょうど肛門のあたりで便器の中に落ちる。これを10回くらいくり返せばウォシュレットと同じ感じ。痔持ちの人におすすめ。濡れた尻は最後に一回くらい紙でぬぐいとればサッパリ。

 

さて、チェックインの後は昼メシ食いに街のレストランへ。

メニューは寸分たがわず昨日と同じ。でもけっこう好きな味だ。

 

パロのメインストリートは西部劇に出てくる通りみたい。英語の看板が目立つ。チベット文字のゾンカ語はあまり見かけない。

パロ メインストリート やはり日本車多い

 

さて、今日の寺は、まずゾン跡から。

小高い丘を登っていくのであるが、途中弓の練習してる一団がいたりして怖い。弓は競技で使うような最新型。

パロは高度2200メートルくらいあるので、ちょっと運動するとあっというまに息切れする。ゆっくり登ることにする。

 

ドゥゲゾン いわゆる廃虚

 

ガイド「ここドゥゲ・ゾンは、17世紀にブータンに侵略してきた中帝と戦った場所で、ブータン軍はこれを見事撃退せり。建物もあったんですが、火事でなくなってしまいました。今は市民のピクニック場になってます」

俺「落書きいっぱいありますね。英語ばっかりだけど・・・おっ『朝日新聞参上』・・なんてのはないな・・日本語の落書きはないか」

 

その後は別の寺に移動。あぜ道を行く。

 

別の寺につく。庭には桃の花。桃や梅や桜の花を見るとジンギスカンをやりたくなる。

ガイド「ここはキチュ・ラカンといいまして、ブータンで最古のお寺ですね。今日は中にはいれるようですので、靴を脱いでおあがり下さい」

ガイドブックには「中にははいれない」と書いてあったが、はいれることもあるようだ。観光ヨーロッパ人がいっぱいいる。

桃の花 梅の花では ありません(おじょ〜ず〜)

 

ガイド「では、本尊におまいりしてください」

俺「おまいりって・・五体投地?」

ガイド「そーです」

 

一緒にはいったガイドとドライバーがすぐに五体投地をはじめる。俺もやれってか。五体投地は、正座して頭をつけるとこから始まる。土下座じゃん。それはあんまり異国の神にはやりたくないな・・おいのりの時以外には絶対に他人に頭下げないムスリムの気持ちが理解できるような気がする。

 

俺「あ、ジャパニーズ・スタイルでいいですかね」

ガイド「かまいません」

 

さいせん箱に5ニュルタムいれて拝む。まあ日本式の仏前での拝み方もよく知らないんだけど。二礼二拍手一礼は神道だしなあ。仏前で拍手はダメだったと思ったし。

 

ガイド「さて、本日の観光は終了です。おつかれさまでした。明日はチュチェ見に行きますね」

 

部屋入口 中はひたすら広い

 

今午後4時。時間あまった。ここ山ん中だから街に出るにもタルいしな〜。本とか読むしかない。長官がせんたくしてくれる。日本を出てから洗濯してないので臭いとかかなりキテるものもある。

 

その間、持ってきた倉坂鬼一郎をはじめて読んでみる。文庫のウラ表紙に書いてた「水そばを出す店にめんつゆを置いておくという異常犯罪」とかいうのが面白そうなので買ってみた。おもしれ〜。なんだこの人。帰ったらもっと買ってみよう。幻冬舎文庫。

 

夕食はホテルのレストラン。バイキング方式で、メニューはいままでとビタ一文おんなじ。米がタイ米なとこが違うだけ。ウエイターからブータンのウイスキーを勧められたのでちょっとだけ飲む。おお、モルトだ。ちゃんとスコットランドで樽詰めしたものらしい。しかし今まで酒のんでなかったのと、高地であることで一口のんだら動悸がしてヤバイと感じた。残りは長官に飲んでもらう。

 

ブータン定食

 

夕食後はやることないので長官とひたすらしゃべる。途中何回か停電。夜はもう物音ぜんぜんしない。満月だったので犬が遠ぼえしている。ふと「負け犬のオーボエ」というギャグを思いつく。

 

ひたすらしゃべっていると、扉をノックする音が。なんだろう。開けると

白人の若い女性「すいません、もうちょっと小さな声でしゃべってもらえますか(英語)」

俺「ああ、すいません、気をつけます」

 

長官「まだ午後八時だってのに、もう寝るのかあ」

俺「まあ、やることなんもないしね・・」

若干声のトーンを落とし、再びさまざまな議題でしゃべり続ける。

 

30分後、再びノックの音が。

白人女性「いいかげんにして下さいよ、ここにはあなたたちの他にも泊まってる人がたくさんいて・・」

俺「アイシー、アイシー」

 

俺「あの神経質さ、ぜったいイギリス人だな(ヒソヒソ)」

長官「壁が薄いんだろうねえ(ひそひそ)」

俺「じゃあ今日のところはは各自読書ということで(ヒソヒソ)」

 

明日はパロの祭り。どんなんなんだろう。

つづく

 

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