![]() エジンバラ〜アムステルダム いやまあスコットランドはね、オードブルというかね、まあ幽霊とかそれはそれで楽しかったのだが、前から経由してるダケだったオランダ。ここが前から気になって気になってしょーがなかった。なんか飛行機の接続が余りにも良すぎて、スキポール空港から出たことないんだもの。この国はガンジャが合法。そこらへんで誰でも買えるというじゃあーりませんか。インドですら一応ガンジャは違法で、警官に見つかったらワイロを払わなければいけない(デリーなど大都市ではワイロも効かない、留置所へ直行)のに。 で、無駄だと思いつつも「地球の歩き方」などを読んでみた。ガンジャとコーヒーショップに関してはちびーっとだけ、4行くらいのコラムがあるだけ。「地球の歩き方」だからそんなもんだろ、と思うなかれ。今は決してそんなことは書いてないが、80年代に出版された版の「地球の歩き方・インド」には「ガンジャやってみるのも一つの体験としていいかもしれない」とか書いてあったのだ。ポールマッカートニーとかが捕まった頃じゃないかなあ。
で、今ここはレンタカーを返し終わったエジンバラ空港。罰金チケット見せたら「やられましたね」と言われた。警官が払わなくてよいと言った、と言ったら「ではこちらで処理しときます」とのこと。あとバンパーぶつけたことも言ったが特に料金の上乗せはナシ。3ヶ月たった今も罰金とか請求こないからオッケーだったんだろう。それよりも勉強だ。幻冬舎文庫「マリファナ青春旅行上・下」と、ゲッツ板谷の「インド怪人紀行」を待合室で読んで勉強。飛行機の中でも読む。ねこぢる旅行記も持って来りゃよかったか。もう頭の中はガンジャやることしかない。
![]() アムステルダムに着き、空港からタクシーにのってホテルに。コーヒーショップあるかな、と思って町中を見ると日本のコンビニよりたくさんある。そんなにガンジャ好きなのか、オランダ人。 駅前のホテルに着く。既にエレベーターの中からガンジャくさい。ちょっと狭い。窓から見えるのは隣のビル。まあヨーロッパの町中のホテルならこんなもんだろう。さっそくコーヒーショップへゴー。トラディショナルスタイル・コーヒーショップと書いてあったし(よくわからんが)、外から見ると人もいっぱいいたようなので上の写真の店にはいる。 …もっと阿片窟みたいなイカガワシイ所を想像してたのだが、なんかみんなサッカーとかテレビで見て盛り上がってる。誰もガンジャなんてやってないでビール飲んでる。煙草は吸ってるがマルボロだ。急に不安になる。実はオランダでガンジャが合法なんてのはウソッパチじゃないのか。実はコーヒーショップってのはただの喫茶店のことで、俺はインチキマスコミに騙されてただけなんじゃないだろうか。ここでガンジャ売ってくれとか言ったら「お前はアホか」とか言われるんじゃないだろうか。というわけで、とりあえずハイネケンなどをたのんでお茶をにごす。
しかし、こんなとこでビビっていてはオランダに寄った意味がない。ビールついでるカウンターのにーちゃんに「ガンジャ欲しいんだけど」と言う。「ああ、ガンジャはあっちのカウンターだ」売ってる所が違うようだ。よく見ると、店の片隅にパチンコの景品交換所みたいな小さな怪しい窓口がある。そっちの窓口に行くと、今のにーちゃんがやってきて「どれにする」とメニューを見せてくれる。50種類くらいあるが何がなんだかわからず。とりあえずメニューの一番上にあった「ホワイト・ウインド」という奴を買う。青魔法か。自分のHPの分だけ回復するのか。まあこういう「どれも似たようなもんだが産地とか種類とかで微妙な差があるらしい」という所がコーヒーと似てるからコーヒーショップっつーんだろーな。1グラム15ギルダーを2グラム買う。煙草よりちょっと高めだが葉巻よりは安い。ちなみにマルボロは一箱5ギルダーくらいだったと思った。 紙巻きの紙はタダなので、たくさんもらってさっそく巻いて吸う。前にインドで吸ったので勝手はわかっている。まあ気分がリラックスする程度なんだろう。タバコに較べると全然ムセないのでガパガパ吸う。なんだ楽勝だ。多少リラックスするだけで何にも変わらんぞ。こんなもの、わざわざ法律で禁止するようなモノかかかかねえ。まったくくく国家ってのはちょっとでもいかがわしいものがあるとすーぐ規制したがががががが
あれ?
きわんきわんきわんきわんきわんきわんきわんきわんきわんきわんきわんきわんきわん
…これは、笑気麻酔の効き始めの時に聞いた音だ。それから、音にものすごいエコーがかかっている。これは「かかった」のか。インドの時はここまでならなかった。そうとうモノが強烈だということか。 デス見沢Fも俺と同じくらい吸っているのだが、特に変化はない様子。 デス見沢F「…あれ、どうした?」 おれ(デス見沢A)「…ヤバい、スゲー効いてきたようだ。すぐに帰ろう」 デス見沢F「それって、そんなふうに突然効くもんなの?」 おれ「そうみたい…」
ホテルから歩いて2分くらいのコーヒーショップにしといてよかった。しかし、マトモにまっすぐ歩けない。店内でコケそうになる。店のにーちゃんに「大丈夫か」と言われるが、声が出なくて返答が出来ない。外に出ると、車がものすごいスピードで走っているように感じ、横断歩道が異常に怖い。自分の顔が「紙幣を折り曲げて作る笑う新渡戸稲造」のように歪んでいる。無限に長い道のりを経て(Fによると時間にして2〜3分で、俺もマトモに歩いていたと言うが)やっとホテルの部屋にたどりつく。服脱いでベッドにたおれる。
横になっていると、目をあけているのに極彩色に塗ったワーナーブラザーズのトゥーンアニメのような幻覚が出現。しかし、目の前のものは見えるし、まわりの音もエコーはかかっているがちゃんと聞こえる。起きているのに、並行して夢をみているというか。透過性のスクリーンに映像が映っているような感じ。で、そのトゥーンが、なにかものすごくシュールなショートコントみたいなもの(ホリケンのギャグみたいなもの)をやり始める。しかもオチらしき所にはしっかり笑い声まではいっている。最初は一話10秒くらいで、トムとジェリーみたいに、話の最初にちゃんと「なんとか大作戦」とかいうタイトルも出てくるのだが、だんだんサイクルが早くなって、一話一秒くらいになって、それが無限に続き、さらにどんどん回転の早さが加速される。シュール過ぎて気持ち悪くなって吐きそうになる。
その「ものすごく早いトゥーンのコント」が映っているのに、さらにそれと並行して新しいショーが始まる。絵本のようにメルヘンで不気味でグロい絵があって、なんか赤頭巾らしきものがオオカミらしい人に食われるシーンを繰り返し映し出している。で、さっきからトゥーンといい、なんかこれって見覚えあるなあ、と思ったら、これは「3歳から5歳くらいまでに見た俺の夢の記憶」なのだ。そんなもの覚えているわけないだろ、とか思うだろうが、3歳から5歳くらいまでの俺は異常に「内部世界のデカい奴」で、毎日の見た夢の中で特に印象の強かったモノは全部ストックして覚えていたのだ。何で、と言われても困るが「ヒマなので覚えたかったから」だろーな。当時はまわりに話のわかる同年代の子供もいなかったし。今こうして発表できるような機会が来るとは思わなかった。
で、ほっといたら夢以外にも子供の頃の記憶が洪水のようにジャカスカでてくる。小学校以降の記憶は出てこない。幼稚園の時からの記憶が出現、しかもどんどん年代がさかのぼっていく。マズい、これって「子供帰り」では…? モトにもとらなくなったらどうしよう、とスゲー不安になる。もとにもどらなくなっても「5歳児レベル」までなら今まで通りフツーに社会生活出来る自信はあるが「3歳児レベル」までさかのぼってしまうと社会生活はちょっと厳しい。
鐘がなっている。幻聴か。「野ばら」だ。 おれ「鐘が鳴っているような気がするんだが、幻聴かなあ」 デス見沢F「どっかの教会じゃないか。ちゃんと現実に鳴ってるから大丈夫。それよりハラへった」 現実的な会話をしたおかげで、なんとなく現実に戻る。でもトゥーンは見えてる。絵本はなくなった。ちょっとまだフラフラするが、とりあえずメシを食いに行く。 ![]() ホテルの向かいに中華屋があるんだが、車道が怖くてなかなか渡れない。なんかもう俺の全てがダメになった感じ。悪魔の実シリーズの一つ「ダメダメの実」を食ったような感じだ。中華屋にはいったらはいったで、この店は実はチャイニーズマフィアの経営している店で俺たちは香港に売られて手足を切り落とされてバイオリンを弾かされるのだと感じる。メニューが日本語で書かれてあるが、これもなんかの罠だ。二人でチンジャオロースーとパイコーメンを頼むが、きっと人肉がはいっているんだ。料理を待ってると、いきなり外からインド人の子供が「写真どうですか」とやって来た。これは写真を一枚でもとったらあとで1兆ギルダーとか請求されて、払えなかったらタイガージェットシンを5億倍凶暴にしたようなコイツの父親にサーベルで刺されるに決まってるので「NO」と言える日本。「わかった」と言って子供は去っていったが、あとで逆恨みされて店を出た瞬間に自動小銃で撃たれることを確信する。 料理が来る。スゲーうまい。ガンジャやると食い物ウマく感じると言うが… デス見沢F「いや、これはホントにウマいよ」 ただしパイコーメンはおいしくなかった。
自動小銃に気をつけながらホテルに帰る。部屋に帰ってきっと飛行機のチケットが盗まれてるに違いないと思って100回くらい確認する。そういう俺の強迫行動を、さっきからデス見沢Fがアキレたような目で見ており、そっちのホウが不安になってしまってとりあえず寝ることにする。バッドトリップになったときのために一応セレネースもってきたが、トウーンはだいぶおとなしくなったのでユーロジンだけ飲んで寝る。Fは「なんでキミだけトリップできるんだ」とくやしがっているが、俺はこんなもの二度とやらないと思った。そして、国家はこういう人民の害毒になるものは法律で固く取り締まるベキであると思った。
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