エジンバラ〜リース 時差ボケにより午前7時に目がさめる。デス見沢Fも同様。これは我々が日本にいる時にはムチャクチャな時間帯で生活しているため、ヨーロッパでは逆にとても健康的な早寝早起きになってしまうからなのだ。考察。こうした時差ボケを利用した睡眠相後退症候群の治療は有効ではないだろうか、と演者は考えた次第である。スライドお願いします。 ![]() ホテルで朝食。ところで、UKの朝食は二通り。ハムやらソーセージやら豆やらフライドエッグ(目玉焼き)やら焼きトマトやらゴテゴテいっぱい出てくるイングリッシュ(ここでは内容は同じだがスコティッシュ)ブレックファストと、トーストとコーヒーだけのコンチネンタルブレックファスト。しかし何でコーヒーとトーストだけの朝食が「コンチネンタル」なんだろう。ドイツでもオランダでもオカズはちゃんとあったが。あ、もちろん、ヨーロッパ人にとって「大陸」ってのは「ユーラシア大陸」のことね。アメリカは「新大陸」。たぶん京都人が応仁の乱を「この前の戦争」と言うような感覚だろう。ついでにアフリカは暗黒大陸でオーストラリアは流刑地だ。たぶん。
で、我々はコンチネンタルに目玉焼きだけつけてもらう。フル・ブレックファストは前にロンドンで食ったが昼メシが食えなくなる。で、メシ食ってるとBGMに有線がかかっている。ポップスなんだが、しっかりケーナとヴァイオリンの例のケルト風の音階が入っている。音楽に隠された密かな独立国としての主張。そういえばロシアのポップスはコサック風にアレンジされてたし、インド歌謡は必ずタブラとシタールがはいっている。ついでに沖縄ではサンシンの音だ。ところでどうして沖縄ってスコットランドやケベックみたいに独立運動とかやんないんだろう。日本についてたっていいことなんもないのに。…と、今、日本で、これを書いてる時にソウル・フラワー・ユニオンの「ロンドンデリー」(アルバム/WINDS FAIRGROUNDに収録)を聞いてるのでそういう不穏な事を考えてしまう。 まあ固い話はヤメて、とりあえずエジンバラなんだからエジンバラ城を見に行こう。
![]() 車で街の中心に出ると、ドドーンとでっけえ岩で出来た城がある。札幌で言うと円山がそのまま城になった感じ。あ、あくまで「山の上に城がある」のではなくて「岩山を削って城にした」のだ。さすがフリーメーソン(石工ギルド)発祥の地(ただしウンベルト・エーコによるとスコットランドがフリーメーソン発祥の地であるというのはガセらしいが。参考文献:エーコの文学講義)。
そこらへんに車を駐めて、岩山を登って(もちろん道路はあり)城に入ってみることにする。入ってから城の真ん前にでっかい無料駐車場あったことに気付く。位置エネルギー損した。入場料は一人10ポンドだったか、けっこうな額を取られる。はいってすぐにCDウオークマンを手渡される。このCDで、各国語でガイドをしてくらるシステムらしい。日本語もあったので、ここは無理しないで日本語のヤツを借りる。すると、俺らの隣にいたねーちゃんが受付に「これ中国語にしてください」と言ってたが「中国語はないんですよ」と断られていた。よし、日本、エジンバラ城では中国に勝利。だいたい中国、お前ら一応まだ共産圏なのに海外旅行してもいいのか?
「…このメアリー女王の悲しい物語は民謡となって今に歌い継がれているのでございます」などというCDのガイドを聞きながら城を見てまわる。しかし、すげー要塞。この城は核ミサイルでも壊れないかもしれない。中にいる人間は死ぬだろうけど。で、ケルト人はけっこう戦争とか好きみたいで、中世から第二次大戦までの戦争資料館とかも城の中にあったのて入ってみる。…英仏戦争ね、ふんふん。これは第二次大戦の…むむっ?
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解説文(さすがにこれは英語文のみ)「スコットランド人により組織されたイギリス軍は、日本軍に対して連戦連勝し、勇敢にもこのように軍旗やサムライのタマシイであるカタナを戦利品として得…」 コラ。何が連戦連勝じゃ。お前ら香港でもシンガポールでも日本軍にコテンパンに負けてたじゃねーか。日本が負けたのはあくまで「アメリカに」なんだよ。それにこれ「軍旗」じゃなくて、単なる寄せ書きじゃねーの。カタナは乱造品の軍刀だし。ホンモノの日本刀なんて、もったいなくて戦場に持ってくわけねーじゃん。というわけで、大本営発表は何も日本に限ったことじゃないのでした。まあ連合国側は勝ったからいいんだけどね。 ざっと一回りしたところで、やっぱUKと来たらお茶でしょう。城内にも当然カフェがある。ケーキセットと紅茶。 ![]() 午後の予定をたてる。デス見沢Fが「アトランティックの新鮮な魚が食いたい」というので、エジンバラ近郊のリースという街に行くことにする。ロードマップはもう少しマシな奴をレンタカー屋から貰った。ギリギリ、ロードマップの範囲にはいっている。この城からA8をまっすぐ行って…フムフム。あまりよくわからない。まあ行けばなんとかなるだろう。
街で下着類など日用品の買い物を済ませてドライブ。UKは日本と同じ左側通行なのがいいやね。心地よく快走。…しているうちに、そろそろ日が暮れますなあ。ここは緯度が高いので冬場はあっというまに日が暮れる。もう、地図の上ではここらへんがリースなんだが…なんか、ものすごいさびれた漁村みたいな所に出る。店なんてあんのかよ。海岸沿いに車を走らせてみる。パブらしきものがあったので入ってみる。ついでにメシも食っておこうと思って「ここはなんか食べ物やってますか」と聞くとバーテンの若造に「ねーよ」と言われる。なんか言い方がムカついたので別の店にする。
…再び車を流していると、海岸沿いになんかオシャレな店発見。しかし、こういうオシャレな店って、実は美容室だったりすることが多いのだが…看板を見ると「OLD CHAIN PIER」。PIERは、埠頭とか桟橋とかって意味だから、CHAIN PIERって、あの石原裕次郎が片足をその上にあげてパイプとかふかしたりしてるアレだろうか。日本語では何と言うんだ、アレ。モヤイだっけ。まあ、とにかく酒場っぽい。カウンターにはねーちゃん。「ごはんやってますか」「はい、やってますよ」窓からの眺めも良いのでここにする。 ![]() 店内は漁師っぽい人(偏見)でいっぱい。デス見沢Fはサーモンステーキ、俺はチキンカレーを注文する。そして、とうぜんビール。1パイント(500ミリくらいか)で出てくるのでけっこう酔う。でもウマイ。やっぱ俺はドイツビールよりUKビールの方が飲みやすくて好きだな。で、チキンカレー出てくる。まあ、うまいことはうまいのだが…甘い。チャツネ入れ過ぎだよ。ビールでなく、砂糖ナシの紅茶と合うかもしれない。Fのサーモンステーキがうまそうだったので、ちょっともらう。ウマイ。鮭というよりマスという感じだが。こっちのほうがビールにあう。で、後で知ったのだが、ここって有名な店だったらしい。
ホテルに帰る。つかれたので、下のバーでビール飲み直したあと、部屋でテレビを見る。プロレスをやってる。おお、イギリスのプロレスは男女混合で対決するのか。なんかカプコンの影響がないか。コスプレっぽいし。スーツ着て戦ったりする。で、一番笑ったのが、「女教師とその一群(その他は男)チーム」と「不良学生チーム」とのチームバトル。教師チームはワイシャツとネクタイ、女教師はあの例のインテリメガネと黒の長いタイトスカート。で、リング上で教師軍団が「あいつら、また遅刻だわ」とか言ってる所に、不良学生チーム(革ジャン・グラサン・タトゥー)がバイクに乗ってリングに登場。気分は私立ジャスティス学園。で、とうぜん観客は不良学生チームを応援する。女教師の得意技はもちろんビンタ。しかし最後には学生がフォールで勝つ。見てて面白いんだが、プロレスとしては技のキレがイマイチ。でもせっかくこういうのをやるんなら、今度は是非、大仁田厚をゲストで呼んで「IRA金網電流地雷爆破デスマッチ」をやっていだきたい。
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