マドリッド・バラハス空港〜コンプレテンセ大学
オッス! オラ*1悟空! 結局マドリッド行きの飛行機にはちゃんと乗れますた。さてしかし、ここからが本番である。ガイドブックなどを見ると「空港での強盗に注意。空港では日本人用に日本語の被害届用紙が置いてある*2ほど」であると言う。飛行機の中で準備。修学旅行ぶりに靴の中に現金などを入れたりしてみる。空港の地図を頭にたたきこんで、荷物うけとったら速攻でタクシー乗り場までダッシュするイメージトレーニングをする。それでもカラまれた時は逃走経路を確保しつつ対多人数武器有りバージョンの攻撃方法を考えて・・いるうちにバラハス空港到着。到着後の機内にマシュケナーダ*3とか流れ出してついラテンのノリになって大いに警戒がゆるむ。・・・はっ。いかんいかん。既にワナが始まっている。現在夜11時。9月だが飛行機のタラップ降りると熱風。暑い。
到着後入国審査。荷物うけとり場所がガラスごしにみえる。お、俺たちの荷物も発見。こんなもんパスポート出してさっさと終わらして荷物うけとって速攻でタクシーに・・ん? パスポートチェックの係官が「ダメだ」と言っている。なんでだ? 後ろ? ・・あ、入国カード記入しなきゃいけないのか、この国! ああ、書いてるウチに他の乗客がみんな出てってしまって荷物が俺たちのダケに・・・盗まれるとビクビクしながらも入国カードが書き終わらん。しかも他の便の乗客も次々とやってきて・・書いた! さあ、荷物受け取って速攻でタクシー乗り場に・・
・・・うーん。これ、100人くらいはタクシー待ち並んでるなあ。しかもタクシー乗り場出口の真ん前だし。こんなん強盗の来ようがないっす。ふつうに並んでるとふつうに順番が来る。ふつうにタクシーにのってふつうにホテルにつく。空港タックス*4入れて20ユーロ。深夜料金考えるとガイドブックに書いてるより安い。部屋にはいって、やっとホッとする。はじめての国は緊張するなあ。時差の関係でもう40時間以上起きてることに気付く。この日はシャワーはいって酒のんでテレビ見て寝る。
次の日。朝11時起床。とりあえず登録しに学会の受付にいかなければいけない。学会会場はコンプレテンセ大学教育学部。観光ガイドブックにも載ってるとこ。スペインの大学生の1/10以上がここの大学生とか。日大と東大あわせたようなもんか、と思いつつタクシーで大学まで。「学部まではわからんから、ここらへんでいいか」と地下鉄の駅口で降ろされる。てきとうにウロウロしてると教育学部に到着。受付は・・・見当たらない。なんかフツーに大学の講義やってるなあ。学生がいっぱい。学生に聞いてもわからんだろうなあ。事務室に行って聞いてみる。学会のパンフを見せると「あれ、ちゃんと今日、ここってなってるねえ・・」と、おばちゃんがいろいろ電話かけてくれる。その後「ちょっとこちらへ」と学務課に連行される。学務課のキツそうな姉ちゃんから説明うける。「あんたがた、スペイン語できる?」「・・・んー、できれば英語で説明を・・」(スペイン語)と言うとものすごいイヤな顔をされる。いちおう英語で説明してくれたが、要するに「学会会場は変更になった」ということらしい。「地下鉄モンクロア駅下車、アメリカ博物館」だと。帰り際、たぶんスペインに来るならスペイン語会話くらいできないとダメだというようなことをスペイン語で説教される。あと、俺たちが説明&説教受けてる間も、2.3人の学生がかわるがわる説教されていた。しかし、学務課って、俺の学生ん時もこんな感じだったが、どの国行ってもこんな感じなのかねえ。
地下鉄にてアメリカ博物館に向かう。地下鉄と言えばケチャップ強盗。駅構内・車内は警戒しつつ一列縦隊にて進軍。しかしまわり良く見てみると、乗客学生ばっかしで強盗とかいう雰囲気じゃねえな。カップルは必ずイチャイチャしてるし*5。でも他の乗客もそれが普通だと思ってるから別になんの反応もナシ。で、よく観察してみると、何かイチャイチャにもマナーがあるらしい。通行人の邪魔になるとこではしてないし。そして、こっちのカップルしゃべんないのね。ただずーっと黙々とイチャイチャしてんの。お前ら今日まで20年くらい禁欲してたのか、みたいな感じで。まあ確かにコレならうるさくないので、ウザくもない。*6
![]() モンクロア駅到着。アメリカ博物館と言われてもわからないのでそこらへんの人に聞く。「むこうのほうだ」*7と言われるがそのむこうのほうには道が3本くらいあったりする。10メートルおきくらいに人に聞いて歩くと、わりとすぐにあった。かなりデカい建物。しかしなぜアメリカ博物館。会場がそこなのも不思議だが、そもそも「アメリカ博物館」というモノ自体なにそれ。アメリカと仲いいのか。侵略仲間ということか。スペイン戦争の時、ヘミングウェイとか手伝ってくれたからか。あ、コロンブスとかのセンかな。そういやスペイン、イラク攻撃の時もイギリスといっしょになってアメリカに賛成してたなあ。誰も気に留めてなかったけど。
受付終わらせる。一分くらいで終わった。今日はもう予定ナシの自由行動。あ、スケジュール表見ると6時からレセプションだ。とりあえずそこらへんをブラブラする。が、暑い。地中海というかアフリカの風*8が来る。しかし乾燥しているので日陰にはいると涼しい。長官は日陰ばっかり選んで歩いている。俺は別におてんとう様に対して恥ずかしい生き方をしていないのでサニーサイドを歩く。熱中症になりそうになったのでやっぱり俺も日陰を歩く。ノドかわいたので途中カフェにはいってコーラを飲む。なんか不味い。水が違うのか。
さて、メシである。スペインでは食事のメインは昼である。そして、羅天道において最大の行である「シェスタ」。メシ食って昼間っから寝るんだからほぼ相撲部屋と同じ生活パターンである。しかも、国中この生活パターンだから、シェスタにあわせて会社も店も役所も午後1時で終了*9。始業は他の国とおんなじ9時だから、毎日が土曜半ドンだ。もちろんそれと別に土日は休み。いいなあ。GNPは絶対伸びないだろうけど、世界第二位くらいまで伸びても国民生活苦しい国*10もあるんでこっちのほうがいいに決まってる。
町のレストランとか行きたかったが、まだ移動の疲れがのこってるので無難にホテルでメシ。午後三時で客満員。長官はタルタルステーキ*11、俺はパエリアを頼む。ワインも頼む。タルタルステーキはまあ200〜300グラムくらいで普通だが、パエリアは米3合くらい炊いたのが出てくる。でも日本出発してから今まで機内食以外は喰ってないので完食。ちと油っこいがんまい。米は日本の米に似てる。デザート食いながら観察してると、他の客は1キロくらいありそうなステーキとか喰ってんな。スペイン人、体わりと小さいのに*12。
![]() 満腹になり、郷にはいれば郷に従えということで部屋に帰ってさてシェスタ。・・しかし昼間っからさあ寝れと言われてもなかなか寝れないもんで。テレビなどを見る。MTV2*13か。ジーンポールばっかしだ。すこし眠くなってきたので少しだけ寝よう。一時間くらい。レセプション6時からだっけ。今PM4時・・・・・
俺「う・・今何時・・・」 長官「・・1時(深夜)かな・・」 俺「わあ! こりゃシェスタじゃねえ! マジ寝だ! でもまあどうせ今日はレセプションだけ(だった)だからいいや。まだ眠いからこのまま朝まで寝るべ」 (注釈) *1 スペイン語。あいさつの言葉。Hola=オッスオラ悟空! *3 羅天のスタンダードナンパー。さいきんCMとかでもよくかかっている。いい曲。 *4 一回につき4ユーロだが負けてくれることもある。税金負けるなよ。 *5 昼12時くらいっス。まあイチャイチャといってもキスくらいまでですが。 *7 最初女子学生に聞いたのだが、なんかものすごいビビられた。アメリカ関係の場所だし、テロリスタとでも思われたかなあ。ヒゲはえてるし。 *9 働き者はシェスタ後の午後6時〜8時の二時間も働いている。 *10 つか、明らかにスペインのほうがどこぞの国よりみんな幸せそうだったんですが。 *11 昔(昭和50年代くらいだと思う)、高島忠夫の「ごちそうさま」に岡本太郎が出演していて、スペインの名物ということで岡本太郎自らタルタルステーキを作ったのだが、当時日本では生肉を食う風習がなく、みんな気持ち悪がって手をつけなかった。結局岡本太郎一人でタルタルステーキ食ってたのがなんかかわいそうだった。要するにユッケなんだけど。 *12 オランダとかだと歩いてる奴みんな俺よりずっと背が高くてコンプレックスうけまくりなのだが、スペインだとみんな俺くらい。非常に精神的によろしい。生物は南(赤道)に行くほど小さくなるの法則。(例:白熊→グリズリー→ヒグマ→ツキノワグマ→マレーぐま) |