ユジノサハリンスク:二日目 ![]() デス見沢A 昨日はあんまり酒飲まなかったので目覚めすっきり。今日の予定:なし。あ、そーだ、そういえばまだルーブルを全く持っていなかったんだっけ。それから身の回り品とか下着とかを買ってこなければならない。キオスクはコンビニのようにそこらへんにいっぱいあるし、近くに自由市場もあるというので、とりあえずブラブラすることに決定。 デス見沢F とにかく換金をしなければ… しかし、何処にいっても兵士が番兵をしているんだなぁ。 デス見沢A まず両替所。きのう「ニェット」と言われた市役所みたいな所にはいる。両替所らしき窓口の前に、英語で「MONEY CHANGE」と書いていたので英語で「チュンジマネー、プリーズ」と言ってみるが当然のように通じない。ではアンチョコを見ながらロシア語。「バリュートゥ、パジャルースタ」もっと通じない。面倒なのでアンチョコを手渡して文を指さす。なんかワラワラとロシア人が集まってくる。なんかみんなで相談された結果「ここではない、あっちだ」と奥の方に連れていかれると、牢屋みたいな所にいつもの電光レート表付きの「真の両替所」発見。30.000円を7500ルーブルにしてもらう。無事公定レート。ではさっきの窓口はいったい?
デス見沢A 続いてロシアの町並みを散歩。今は平日の昼すぎなので成人は労働中なのかほとんど見ない。ウォトカ飲んでブラブラしてる人は思ってたほどいなかった。まあ一応ユジノはサハリンの中でも都会だから職もそれなりにあるのか。 昼メシは、ユジノ到着の時にお世話になった日本食レストランに行くこととする。地図を目当てにレストランを探す。地図の通りの番地はあるのだが、そこには核廃棄物が捨ててありそうなゴミ捨て場しかない。 そこらへん歩いてる人に聞いてみることにする。 おれ「ここらへんに日本食レストランはありませんか(ロシア語)」 ロシア人「×××××××××、××××、××××。×××××××、×××××××××!」 ぜんぜんわからん。当然だ。俺はロシア語のヒアリングなんか全然出来ないんだから。だったらそもそも何で聞くかなあ、俺。 デス見沢F 地図にこんなに分かりやすく書いてある日本食レストラン(しかし、何故わざわざ日本食にしたのだろうか。)が見つからない。まっすぐな道を何度も往復してみる。…見つからない!! 此所の筈なのに!! もう疲れた。何度も地図を見直すが(京都や札幌と同じく街が碁盤の目だから、そうそう間違わない)…無い。たまりかねて、歩いているロシア人にレストラン名を聞いてみるが、皆知らないらしい。有名じゃなかったのか……。 デス見沢A でもまあシニフィエとしてはなんとなく「駅前に『みちのくビル』という所があるから、日本関係の情報はそこで聞くといいよ」と受け止められた。そう、シニフィエさえ伝われば言語など不要! 人類には集合的無意識があるのでどんな聞いたことない言語でも意味は伝わる! もしくは俺にはテレパシー能力が? みちのくビルに行って案内らしき所で聞くと、とてもうまい日本語で「ああ、裏手のビルの1階にあるけど、看板はビルの入り口の所にすごーく小さくあるだけだから、なかなかわかんないよ」と答えられる。
![]() デス見沢A こんなん絶対わかんねーよという所にレストラン発見。ちなみにビルの前はゴミ捨て場。じゃないのかもしれないがゴミ捨て場にしか見えない。入ろうとすると入り口の前にあるソファーで日本人コックがヒマのあまりソファーで寝ている。店員は女子2名、男子2名の雇用機会均等。俺らが店の中にはいると学校のように向かい合って話していた4人が接客モードになる。でも「いらっしゃいませ」はナシ。 デス見沢F …此所はさっきも来た筈。ロシアの店は基本的に「入ってみなければ判らない」という忠告を思い出していた……。後悔先に立たず。 デス見沢A そう言えば我々はまだロシア上陸後はウオトカを飲んでいなかった。とりあえず二人で500ミリをデキャンタで頼む。店員に「お連れ様のお年はおいくつですか」と聞かれる。なんでだろう。あそーか、未成年だと思われたんだ(ロシアでは未成年に対して酒をすすめることは厳禁で、下手するとタイホされる)。おれ「**歳ですよ」店員「ええっ?」信じられないようだ。店員「あなたは何歳?」おれ「**歳」店員「ふーん。日本人トシわからない」どっちの意味だろう。まあ若く見えた、ということにしておいてやろう。 デス見沢F あー、やっとウオトカが飲める!! ここロシアでは、成人の飲酒については全然構わない(むしろこっちをなんとかしろよ)が未成年にはうるさい。美人のウエイトレス(此所の女性は若いうちは皆モデルのようだ)に僕の年齢も聞かれた。17才にでも見えたのかな……。違うか。 デス見沢A サシミ、イカゴロ、ルイベなど北海道にいるのと全く同じ料理でウォトカを飲む。なんかすごくうまい。どんどん飲む。見かねた店員がチェイサーとして水を持ってきてくれる。スパシーバ。でもなんか調子よくて全然酔ってないよおれ。へらへら。気がつくと有線放送がかかっている。確かこれグレイトフルデッド…でもロシア語カバー。次の曲はイーグルスか。これもロシア語。全部コサック風のリズムとコーラスがはいっている。歌声喫茶みてえ。知らない間に赤化される。これはまあインド歌謡には必ずシタールとタブラがはいっているようなものだと勝手に解釈する。 デス見沢F 信じられない。デキャンタ一杯のウオトカを、二人で全部飲んでしまった!! しかも今までの疲れや不安や怒りも全部無くなっている。そ、そんなアル中じゃあるまいし。これ何か入っていない? ふと後ろを振り向くと、やることが無くて三人ちんまりと整列しているウエイトレスと、金髪の板前が見えた。どうやら笑われているらしい。…ま、いいか。 デス見沢A 気分良く飲んでると、空港から車に乗せてくれた店長が帰ってくる。店長「どーですかユジノは」おれ「何もなくていいところですね」店長「そうか」いや、ホントに気に入ったんだけとさ、俺は。 で、俺が「前になんかのエッセーで読んだことがあるんですが、ロシア人は豚の脂身の塩漬けをつまみにウオトカを飲むという話を聞いたんですが」と言うと「ああ、Сало(サーラ)ね、自由市場に売ってるよ」と即答。「あれをつまみに飲むと、ウオトカが甘くなるんだな」飲みてー。ウオトカ全部あけて、レッツ自由市場。
![]() デス見沢A まだゼンゼン日が高いがけっこう酔った。市場へ行く途中、子連れの酔っぱらいお父ちゃんに(鉄板で嫁に逃げられた風)からまれる。「(ロシア語)おい日本人、これ知ってるかこれ、ケフュールっていってヨーグルトみたいなもんだ。これはなあ、健康にいいんだぞ。け・ん・こ・う・に・いいんだぞ。けんこうにいいんだぞー(絶叫)」連れている子供が明らかに「お父ちゃん、恥ずかしいからやめてよ」と言う顔をしている。酒は飲みすぎると生命と社会と両方の健康によくありません。アルコールはほどほどに。 デス見沢F 二人ともいい感じに出来上がっていた。自由市場のどこをどう歩いたのかよく判らないが、とにかく夕食を買って帰らなければあのインチキなホテル飯を食べなくてはならなくなる。なんとか換金も出来たしね。 話に聞いたとおり、屋台で日用品を売る人から、小さなダンボール箱の上に一品(干し魚だけとか、炒った向日葵の種コップ一杯だけとか、アイヌネギ一束だけとか。)だけ、という人も多い。 韓国人の屋台で、キムチを買ったら一品全部を袋に…おいおい、おばちゃんそれ全部食べられないよ−!!(このキムチは結局日本へ持ち帰った。) デス見沢A 市場は世界共通で賑やか。でさっそくСалоを購入。その他ブラブラ見てまわると「お兄さん、10円、10円」と日本語で声をかけられる。おばちゃんがキムチを売っている。ははあ、これが在留韓国人か。ユジノ歩いてるとけっこうアジア人の顔を見かけるが、ほとんど韓国人。そもそもユジノからはソウルまで直行の飛行機があり、昨日行ったエアロフロートのパンフにもハングル語が書いてあった。また過去の歴史により「日本語しか読めない韓国人」という人もいるので、ハングル語のパンフには日本語もついている。 とりあえずキムチがうまそうだったので、昆布キムチとホッケのキムチとふつうのキムチを買う。全部で10ルーブルでそれぞれ1キロくらいずつつつんでくれた。激安。ホントに10円だ。こんなんでルーブル使い切れるのか。おばちゃんとちょびっと話す。函館弁だ。また来るから、といって他のところまわる。 その他、韓国製カップラーメン、「ソユーズ」とかいうロシア煙草、ミネラルウオーター、ジュースなどを買い、市場の隣にあるデパートでウオトカの1リットル瓶を買う。酒類は屋根のある所にしか売ってない。それと巨大サラミ。残ったら今度こそ検疫の目盗んで日本に持って帰る(ドイツ変参照)。 さあ、酔いもさめたし、ホテル帰って飲むか。 デス見沢F 衛星放送を見ながら、キムチとサーラをつまみに乾杯。酒は勿論ウオトカ。…ちょっと嫌な予感がするが、まぁ気のせいだよ。きっと。(既にわけがわからなくなっている) |