my LIFE as HERMIT
「ドイツの科学力は世界一ィ!変」(その5)

(文中1マルク≒100円(レートではなく、日本の感覚として。レートでは60円くらい))

ミュンスター:Performance, Excursion und Gala
 

 今日は実質的な学会の最終日。まあ一応明日もあるんだが、明日は閉会式みたいなのダケなんで俺らは勝手に今日が最終日と決めた。

 前回の学会の時にもちびっとあったんだが、この学会には「学術研究発表」の一環として、音楽・ダンス・ドラマなど完全な「アートの発表」というのがある。だからこの学会は「芸術療法学会」というより「芸術学会+芸術療法学会」と言った方が正しいのかもしれない。で、今回はドイツだけあって、その「出し物」がけっこう多い。今日は学会のメインイベント、病院見学と「Performance」、そしてウチアゲ「Gala」というのがある。正直に言わせていただくと、俺らはこの「出し物」と「ウチアゲ」のタメにこの学会に来た、と言ってもいいかもしれない。学術発表を聞くのはオマケ。

 今日の午前中のメインはDr.Anneのパフォーマンス「ボディ・アンド・レジスタンス」。これは是非見にいかなければ。なんとなくタイトルからどんなものかわかってしまうが。俺は学生時代に小樽海猫屋系暗黒舞踏をやっていた先輩となんかやったこともあるのでそこらへんも全く無知ではないのだ。

 で、それがどんなものかは写真をとったので多少は会場の雰囲気が伝わるかもしれない。ここに載せてしまうが音声はいってないし静止画だから著作権うんぬんとかは言われないだろ。何たって「学術目的」だし。

 Dr.Anne小劇場 Body and Resistance(1〜6)

 ちょっとアレだがこれはまだ穏やかなホウである。本格的なパフォーマンスを見に行く時には「汚れても平気な格好」をしなければいけない。

 で、学食でメシ。タダだった。でもバスと同じでいちいち学会参加者かどうか確かめないでメシを配ってたんで、ホームレスとか混じっててもわからんだろーなこれ。そーいやドイツでホームレス見ないなあ。社会福祉が充実してんのか。ベルリンかどっかにいるのか。ただ寒いからいないだけか。

 メシ食ったら例の病院見学。学食に集合場所の変更の伝令が来る。ドイツ語で一言言っただけ。そんなんでみんなわかんのか。学会参加者ドイツ語ぜんぜんわかんないのもけっこういるぞ。

 集合場所に集まると俺らを含めて5人しかいない。あれ、名前登録した時には10人以上いたような気がしたんだが。引率のねーちゃんに尋ねると「他の人はみんなキャンセルしてしまいました」いーかげんだなあ。しかし心のスミに、ひょっとして欧米の方々はアヤシイ東洋人と一緒のパーティを組むのを嫌がったのではないかという被差別意識が頭をもたげる。5人の中には昨日発表してた日本人心理士のねーちゃんもいた。ねーちゃんていうか…まあオマケしてねーちゃんとしておこう。

 マイクロバスに乗ってウエストファリス病院(精神科単科)に向かう。なんか広い国立公園みたいな所につく。この国立公園の中に病院があんのか。「いえ、この敷地全てが病院なのです」ウッソー。一辺10キロくらいはあるぞここ。森や池や川まであるし。ほとんど「村」。札幌の芸術な森に感じは似てるが、あれよりもっともっと広くて緑が多い。病棟とか作業所が100メートル間隔くらいで点在している。


病院の「中」はこんな感じ

 ワークショップ、ということで何か講堂みたいな所に集められる。5人の他に学生とかもいる。全部で20人くらいか。アメリカのなんとか言う教授が出てくるが「5人しかいないのー?」と明らかにフテくされた様子。本来は講義かなんかあったようだが、人数が少ないためお茶会に変更。いろいろ雑談する。

(引率のねーちゃん)「休み、どのくらいとったんですか。私は1ヶ月」
(おれ)「日本では休みとれないですからねー。2週間がせいいっぱいですよ」
(ノルウェーの人)「日本の夏休みってどのくらいあるんですか」
(日本人心理士)「短いですよ。ふつう1週間とか…そうですよね」
(おれ)「日本には夏休みとか休みとかいうものは全くありません」
(心理士と長官を除く全員)「ずっと働いてるんですか! おおー、それはストレスフル」
(おれ)「そう。日本人は死ぬまで働きます。イッツ・ジャパニーズ・ウェイ」
とか言う話題で盛り上がる。

教授はいつの間にか行方不明となってしまった。

 作業所、音楽療法室、体育館などを見学。音楽療法はウチでやってるのとおんなじスタイルのバンド型。「日本ではどのようにやってますか」と聞かれたので「まあこんな感じです」と答える。でも日本で一般的にこういう事が行われているのかどーかは実は知らない>おれ。職員によるバンドもある。テープ聞かせて貰ったがみんなクラフトワークに聞こえるのは俺の偏見か。


学生。ドイツの厚底サンダルは控えめ

 最後に体育館にてラジオ体操ライクなダンスセラピーと打楽器のセッションと絵を書いておしまい。時間が余ったのでホテルにいったん帰り、荷物おいてからウチアゲ会場の、一番最初に受付をした「城」に行く。

 ホールに行くと主催者のごく短いあいさつの後、バンド演奏開始。ピアノトリオ+ボーカル。どジャズ。これはミュンスター大のジャズ研に違いない。さっそくみんな踊りはじめる。ちなみに前回のロンドンの時はユーロビートだった。


まるでジャズ まるで学生 まるで営業

 「ブルーボッサ」「ウエイブ」「ミスティ」「マーシー・マーシー・マーシー」などのどスタンダードが続く。ていうかセッション曲だろーこれわ! しかも学生ジャズ研系の! どこでもやる事はおんなじか。ドイツっていうからアヴァンギャルドなの期待したのに。それだと誰も踊れないか。

 休憩時間、客がメシ食いに別の会場に行ってる間、嫌がらせにピアノで「ジャイアント・ステップス(コードが複雑なためバンドメンに非常に嫌がられる曲)」のコードを引く。学生みんなヤな顔をするが、ピヤノの奴が「あ、どんどん弾いていいてすよ」と言ったのでどんとん弾く。おお、このピアノ、スタインウエーだ。しかしドイツだったらベーゼドルファーじゃないのか。まあスタインウエーは量産してるからな。俺弾いてると客がどんどん集まってくる。集まったところで学生にまた演奏してもらう。やっぱ弾くより聞くほうがいーや。


こうしてみんな朝まで踊りつづけるのであった

 みんなずーっと踊り続けている。長官はもっといたそうだったが、俺が疲れたんで途中で帰る。日本人参加者二人は「なんだこりゃ」という感じで早々に帰って行った。あの二人はもう二度とこの学会には参加しないような気がする。

 ホテル帰るとドアに鍵がかかっている。門限があんのかよーこのホテルわ。ベルならして入れてもらう。修学旅行じゃないんだから。スゲー疲れた。ねる。

つづく

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