my LIFE as HERMIT
「ドイツの科学力は世界一ィ!変」(その2)

(文中1マルク≒100円(レートではなく、日本の感覚として。レートでは60円くらい))

ミュンスター〜デュッセルドルフ〜ミュンスター
 

 今日は学会の無い日だが、それにしてもちょっと寝過ごしてしまったか? もう午後かもしれネエなあ。と思いつつ時計を見ると午前7時。昨日寝たのは午後10時くらい。そう、我々は日本にいる時は休日は夜明けに寝て午後に起きる、という堕落した生活を送っているのだが、ヨーロッパに来ると時差により真人間な生活リズムとなってしまうのだ。しかもちゃんと腹減ってるし。まー朝食はどーせパンとコーヒーだけだろーなと思いつつ下の食堂に向かう。おおっ! 朝食バイキングでわないか! ヨーロッパはパンがウマいのでいろいろ取ってみる。小さい角食と、なんかドイツ語で長い覚えられない名前の固いパンと、わけのわからない真っ黒い角食をとる。オカズはハム・ベーコン・卵・チーズなど、まあ普通。しかし野菜がないなあ。エウロパ人はもっと野菜食えよ野菜をよ。あとシリアルをとる。なんだこのシリアル、牛乳入れたら溶けちまったぜ。こういうもんなのか。それとも何か根本的な間違いをしているのか俺。まあとりあえず食う。…ハム・ベーコンはまあどこでもこういうもんだろう。日本と変わらない味。それにしてもこの黒い角食はマズイ。なんだこれ。レーズンを炭化させたものを成型してパンの形にしたような味だ。なんかボロボロこぼれるし。それ以外のパンはウマかったが。
 

 とりあえずおなかいっぱいになったので部屋で長官と今日の作戦を立てる。学会は明日からなんで今日はフリー。せっかく駅前にホテルがあるんで鉄道でどっか行くことに決定。ミュンスター駅は札幌駅みたいな感じ。駅は人でいっぱいだったが、ここの都市は観光な人はいなさそうだ。みんな働いてる人っぽい。駅前にスキンヘッドのネオナチ気味のニーチャンがウンコすわりしていたがガンつけ3秒で圧勝。ネオナチぬるし。で、切符を買おうと思って券売機を探す。券売機はすぐに見つかったが…なんだこれ。硬貨を入れる所もなくて、1.2.3…という一桁数字のボタンしかない。説明書きはもちろんドイツ語オンリー。それでもなんとか解読してみるが…小さい子供は半額、背負った子供は無料…俺はそんなことを知りたいんじゃねーんだよ! だからどーやって切符を買うんだっつーの! やっぱ機械はダメだ機械は。機械にばっか頼ってたら人間ダメになっちまうってもんだ。みどりの窓口くらいあるだろ、と思って駅構内をウロウロする。いつの間にかホームに出てしまう。あれ? 改札無視したのか俺は?…と思ってると、どうやらドイツには「改札」というものはナイらしい。んじゃあキセルし放題じゃん。まあとりあえず切符買わないで列車に乗ってみる。乗って5分くらいで当然のように車掌がやってくる。「すいません、デュッセルドルフまで2枚ください」「オーケー、ノープロブレム」切符は車内で買うものらしい。デュッセルドルフまで片道二枚で85マルク。急行自由席らしい。座席が大きくて楽。そもそも軌道が日本のより広い。
 


世界の車窓から

 ドイツの列車は日本のように座席の向きを自分で勝手に変えられない。だから進行方向と逆方向と、二種類の向きの座席が同じ数だけある。したがって車両の中央部分では席が向かい合うことになるが、そこんとこだけテーブルがついていて非常に便利。席はどこでも同じ値段なんで、当然そこに座る。すると途中の駅から乗ったオバチャンが向かいに座る。ドイツ語で喋りかけてくる。「英語わかります?」「Nein」…それでもなんとか会話が成立した。…のかなあ? 娘が歯科技工士の学校で勉強してるためケルンに住んでいて、これから会いに行くところらしい。「ケルンですか」「発音が違うね、クールンだよ」…俺は旅行者なんだから発音くらいかんべんしてくれよ。それより、昨日から思ってたんだが、ドイツ人はドイツを旅行している人は当然ドイツ語が喋れるものだと考えているらしく、みんなドイツ語で話しかけてくるなあ。日本だったら外人見たらなんか英語使ってしまうだろ。考えてみりゃヒクツだよな。これからは日本で外人見たらバシバシ日本語で話しかけることにしよう。
 

 そのうちオバチャンも静かになったんで、ボケーと窓からの風景を眺める。途中エッセンなどにとまる。そういえば空港の名前もミュンスター/ドルトムント空港って言ったよなあ。エッセン・ドルトムント…ルール工業地帯か。中学の地理だな。なつかしー。しかしそれを知っていたからどうだというのだろう。義務教育は根本的な見直しが必要だな…とか考えて窓の外を見てると…むっ、なんだこの建物は。バーのメジャーカップを巨大にして白く塗った建物が3つ。そのどれも上から水蒸気を出している。そしてそれと別になんか巨大な建造物と電線。こ、これはひょっとして、原子力の精霊を祀ってある神聖な場所では? こんな住宅密集地に? しかも線路脇! さっすがドイツ…広瀬隆はこういう事を知っているのだろうか。まあ確かにここは工業地帯だし、住宅地のそばに発電所があったほうが効率いいからなあ。火力発電所なんて立てたらまた酸性雨になるし。事故おこさない限りは確かに環境にはいいんだろーな。日本も田舎に立てるなんて卑怯な真似しないで、どうどうと住宅地や工業地帯に隣接して建てればいいのに。まあ俺はそんな所の近くに住むのはヤだけど。
 


左のほうに見える白いのがクラフトワーク うまく撮れなかった

 で、まあとりあえずデュッセルドルフ到着。目の前に路面電車が走っている。なかなか大きい街。とりあえず買い物をしよう。俺は旅行する時は、基本的に下着とかハブラシとかは現地で買うことにしている。ハブラシはホテルの近所の薬局とかで買えるから、とりあえず下着。Kaufhofというヨーカドーみたいな所にはいる。下着売り場はだいたい1階の奥の方と決まっているので…バッチぐう。ありました。シャツの2枚組パックを二つ買って…日本と同じだなこりゃ。楽でいい。続いてはパンツ…

 …むむ。むむむむ。なんだこれは。なぜドイツの男性下着はビキニしか売っていないのか。こんなもんはけるかー! 締めつけられてしまう。締めつけ反対! 日本男児たるものパンツはシマのガラパンに限ると松本零士先生もおっしゃっておられる。いや、ガラパンはなくてもいいからさあ、せめてトランクスはないのか。探すとちょっとだけあった。「ボクサートランクス」だって。まあこれでいいや…でもなんか肌にぴったりしててアレくさいなあっ。生地はいいんだけど。選んでる途中、長官が「そんなのヤメてこれにしな」とか言ってとんでもないビキニを指さしたりする。やめれ。

 そのあとコマゴマしたものを買って昼メシにする。ドイツ料理の店。メニューを見ると「アイスバイン」がある。旅行前に博士から「ドイツに行くんだったら是非アイスバインを食えれ」と言われていたので注文してみる。どんなものかはこの時点ではくわしくは知らない。ガイドブックには「アイスバイン=豚足の煮込み」と書いてあったので、まあ豚足なら俺も好きだからイイだろう。昼だから豚足とビール程度だったらちょうどいいか。
 

 10分後、運ばれてきたのは、デカ皿の上にのった岩石オープンの車体を叩くこん棒に類似した物体。デカい。なんだこのデカさは。骨がついてるとはいえ、サッカーボールくらいある。ああ、注文したのが一人前でよかった。でも食うとウマい。豚足とハムと豚角煮を足して3で割らないような味。あ、写真とっとけばよかった。が、食っちゃった。食ったあとでもデカさがわかるかもしれないのでとりあえず撮っておく。


完食

 

 おなかいっぱいなのでそこらへんを散歩。ガイトブック読むと、デュッセルドルフは日系企業の進出めざましく日本人ビジネスマンがいっぱいいるとの話。でも昼休みでも日本人は明らかな観光客くらいしか見あたらない。三越もつぶれているようだ。たぶんこれは、バブル時代に調子にのって海外進出した企業が、バブル崩壊後やってけなくなってどんどん撤退してってるんじゃないだろーか。ドイツ自体が不況ということもあるんだろーけど、調子に乗って戦線を無闇に拡大して結局自滅するのは50年前と変わりませんなあ日本。


何となく寂しいデュッセルドルフ 平日なのに閉まってる店が多い

 市内見物もしたのでまた汽車にのってミュンスターに戻る。デュッセルドルフ駅にも改札なかったのでまた車内でキップ買う。あーつかれた。ホテルに戻ってひとやすみ。まだ明るい。5時くらいか…と思ったらもう7時。緯度が高いのとサマータイムのせいだ。9時くらいまで明るい。

 夜になって、またメシを食いにいく。Wienerwald(ウィーンの森ってことか?)というレストランがあったので入ってみる。実はさっきのアイスバインがまだ腹にのこっていてあんまり腹へってないが、あとで腹へると思ったから何か食べようと思ったのだ。レストランの中は…なんだ、ファミレスじゃねーか。チキン料理のチェーン店らしい。ビールと手羽先をたのむ。出てきたのはほんとに手羽先の唐揚げ。日本のと同じ。うっぷ…やっぱり食えねーや。ビールだけ飲もう。長官腹減ってるみたいだから全部食っていいよ。メニュー読んでると「チキンスープ mit(with)ヌードル」というのが目にはいった。これはラーメンということか。今日はもう食えないから明日以降また来よう。しかしスゲー眠い…ホテル帰って寝よう。もう午前3時くらいじゃねーのか…時計を見ると午後10時半。ああ、俺はこうして真人間になってしまうのだろうか。恐るべしドイツ…ZZZzzzz...

つづく

ドイツの科学力は世界一ィ!変(その1)

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