EMPEROR SOLDIER

FUNK FUJIYAMA!変(その4)


注:ジュネーブ条約により、この話はフィクションだと思って読まれることを希望します。

四日目 H13.10.7

 

 昨日はちょっと早めに寝た。が、2時は過ぎてただろう。昨日もたっぷりと酒のんでしまったので朝起きるとやっぱり気持ち悪い。朝メシは和→洋、と続いたので今日は「和」だろう…と思ってると脂のりまくりのサンマの塩焼きだった。確かに「和」ではあるが…俺は朝メシにサンマの塩焼き食ったのはこれが生まれて初めてかもしれない。ふつー朝メシの魚ったら鮭以外だったらメザシとかアジの干物とかじゃねーのか。それとも内地では朝にサンマがスタンダードなのか。

 

 胃をたいへんにもたれさせて午前中の講義スタート。はあ? 宿題? 何それ。そんなもんあったのか。どうやら宿題があったらしい。確かに昨日渡された資料の山の中に問題らしきものはある(当然のことながら俺は資料は机の中にしまいっぱなしであり自分の部屋になど決して持ち帰らない)。発表せい、ということらしい。まあ俺はこういうことは小・中・高・大と慣れてきているので当然のように宿題をその場でやり出す。で、宿題の答えを班ごとにディスカッションして統一見解を出せ、ということらしい。他のみんながディスカッシヨンしてる間にこっそり宿題をやっておく。インド大地震の時のケースで、どのように派遣のスケジュールを立てていくか、というようなシュミレーション(←読者より突っ込みがはいった。シミュレーションだ)問題。

 

 で、四日目ともなってくると、そろそろ疲れがたまってくる。頭がまわらないので意見がなかなか統一しない。どーでもいいようなことで腹たてたりする。らしい。なんとなくケンアクな雰囲気となっている。他の班もそんな感じ。そういう時は俺は何も口出さないのがヨシでしょう。ていうか俺今宿題解くのに忙しくて最初っから他の人の話とか聞いてないし。なになに、インドの災害損失と必要な食料の数が…ヨシ、できた。

 レクター教官が来る。「よし、第1問目の答え、このキャンプに必要なトイレの数はどのくらいだ」

 他のみんな「…えー、その点につきましては、まだ検討中でありまして、はっきりとした答えは出てませんが…」

 教官「どのくらいだ、と聞いている」

 俺「20です」

 教官「正解だ。その根拠は?」

 俺「この本のここんとこに計算式が書いてあるから(←さっきメヒ子から教えてもらった。みんなが答えを言わなかったのは、その計算式の根拠をディスカッシヨンしていたためだったらしい)」

 教官「よろしい」

 みんな、難しく考えすぎ。ちなみに俺はディスカッションには全く参加していなかった。卑怯者を見るような目で他のメンバーから見られる俺。いいじゃん、正解なんだからさあ。

 昼休み。もはやこのあたりから何食ったかとか覚えてらんなくなる。かきあげウドンかなんか。食って速攻シェスタ。1時から定刻通り午後の講義。「発展途上国への援助」。たいへん地味な内容であり全く覚えていない。え〜そういうのって国連とかの仕事じゃないの〜。ていうか、もう脳がオーバーフロー気味であります。

 

 あ、災害の講義だったか援助の講義だったかの時、「阪神大震災の時にはマフィア(山×組のことだろーな)が被災した人々にボランティア活動していましたが、そういうのの手伝いしてもいいんでしようか」という質問をレクター教官にしてた剛の者がいたなあ。おいおい、マフィアだらけのコロンビアの教官にそういうこと聞くかあ? まあ教官の答えは当然…

 「Are you…、いや、君は間違っている」って、そこで止めるのかよ! 俺の時は最後まで言ったのに!

 「ウチの組織は『中立』『独立』を保っているのに、マフィアとの関係がある、などという話が流れたらマスコミのいいスキャンダルになる。だからマフィアが例えどんなにボランティアに役立ったとしても、我々の組織としてはマフィアと関係を持つことはない。まあ個人、プライベートでやる分には何も言えないが、組織としては絶対にダメだ」

 セーガン教官からも重ねて説明がはいる。「昔、スペインの支部長がたいへんに私欲の強い人で、いろいろな組織からリベートとかとりまくっていて、マスコミからたたかれたことがあった。すぐにクビにしたが、それでも我々の組織は大変なダメージをうけた。中立・独立・公平の主張がないと、前線で働いている人たちが現地の兵士・市民などに『なんだ、あいつらは結局金で動くんじゃねーか』と思われ、大変に危険な状態となるのだ。だから、マフィアと関係を持ったり、私利私欲に走るのは、結局自分や他人の身を危険にさらすことになるので、絶対にヤメてほしい」とのこと。了解する。

 

 夕メシ後は「マスコミへの対応について」ほうほう。これは面白そうだ。セーガン教官による講義。

 セーガン教官は、まあさっきの発言でもわかる通り、いままでマスコミでイタイ目に会ったことがあるらしく、大変にジャーナリスト嫌いである。スローガンは

 「Don't trust jounalists」

 「『ここはオフレコですから』というのを信用してはいけない。オフレコでもテープはどこかで必ず回っている。しかし、『ノーコメント』とは絶対に言ってはいけない。ノーコメントというのは、何かを隠しているという意味だ。たまたま運悪くジャーナリストの取材を受けるようなことがあったならば、必ず自分の考えを、これが全世界(特に紛争当事国)に伝わるんだ、ということを認識して話すこと。また、ジャーナリストは発言を『編集』するものであるから、誤解を招く可能性のある発言はしないこと」

 まあこのあたりのジャーナリズムに対する見解は我が帝国と同じものである。

 

 さて、飲み会。実は今日でレクター教官の講義はおしまい。レクター教官は明日から香港だと。ここ2年くらい家族の顔見てない、と言っていた。

 まあ、雰囲気的に、ここまでの「授業態度」で派遣行ける奴か行けない奴かを決定するようだ。何故なら、教官たちと日本支部の幹部たちが小会議室にはいって何やら会議・採点をしているようで、飲み会の時間になっても誰も来ないから。ああ、採点される気分というのはいつになってもイヤなものだ。いや、冷静に考えると、別にこの研修、合格したからといってメリットはないんだよなあ、合格したホウがアブナイ目に合うんだよなあ、と思うがやっぱり「不合格」というのはイヤだなあ。と思って生徒だけで飲んでる。まあジャズの話とか。香港の人(以下、フェイとする)がいたので話をする。

「香港って、音楽は今誰が流行ってんですか?」

「うーん、ちょっと思い浮かばないけど」

「フェイ・ウォンとかは?」

「ああ、昔好きだったけどね。今は嫌い」

「やっぱり日本のゲームの歌とか歌いだしたからですかね」

「あー、あるかもしれない。そのあたりから嫌いになった」

「まあアレは歌手はいいんだけど歌作ったヤツがダメなんでカンベンして下さいな」

などと反日感情をあおる会話をしていると、飲み会部屋に教官達登場。

レクター教官最後の日、ということなので、当然、盛大にお別れ会をすることに。

 

 セーガン教官「それでは、日米対抗ポリティカル・ジョーク合戦〜ドンドンドンパフパフパフ〜」

 ということになり、世界のポリティカル・ジョークを披露しあうことに。セーガン教官は中国の政治的情勢を皮肉った(らしい)ジョークをとばしていたが、あまりにも高度な政治性によりちょっとどこが面白いのかわからんかった、ていうか登場人物が誰なのか既にもうわからない。中国の外務大臣ったって知らないし。しかし教官殿のジョークであるので笑わなければいけない。「ハハハハ」

 続いてレクター教官。

 コロンビアで、ある悪い男が死後地獄に落ちた。しかし、本年度より地獄特別法が新しく制定され、死後1回だけ家族に電話してもいいこととなった。しかし、男は死んだ時に金をあまり持っていなかった。ので、ハデス(冥界の王)に「電話料金は高いんですか?」と聞くと「大丈夫、国内通話になる」

 日本語にするとわかりやすいのだが、これを英語でやられるとちよっとわかりづらい。「時差のある笑い」がおきる。

 

 そしたら俺も何か日本の話しなきゃいけないっしょ。うーん…

 俺「前の日本の森首相がクリントンに会った時、『How are you?』のところを『Who are you?』って言った。そうしたらクリントンは『I'm Hillary's(ヒラリーのスペルわかんねー) husband』と答えた…」

 セーガン教官「あ、知ってるぞ、それ。そしてそのあと森首相が『Me, too』って言うんだろ」

 日本人全員「ええっ、何でその話知ってるんですか?」

 セーガン教官「何でって、フランスの新聞にも書いてあったぞ、それ。記事として

 

 しかし、現在の国際情勢では、ヘンに決断力のある小泉首相よりも、森首相がオロオロして、自衛隊出そうか出さないかでモメにモメて結局何もできない、というほうが日本にとってよかったのではないだらうか。個人的意見として。

 その後も場は盛り上がり続け、結局今日も3時くらいまで踊り続けるのであった。

 しかし、同じ曲ばっかりかけてんのに、みんなよく飽きないよな〜。

 

つづく

FUNK FUJIYAMA!変(その3)

FUNK FUJIYAMA!変(その2)

FUNK FUJIYAMA!変(その1)

本来の市民オケ変の第一回目だけ

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