はい、こんにちは。せんせーの、名前は、北野こーだい、じゃなくて死ヴァ遼タ郎デス。これから君たちの、社会学の講義を担当します。私は「仏の死ヴァ」と呼ばれていますので、試験は絶対通します。そのかわり、勉強しなかった人は、社会に出てから‥フフフフ。まあいいでしょう、講義を始めます。今日は、第一講、公安のしくみ、デスね。
はい皆さん、ところで、公安って何だか知っていますか。(生徒A‥免許証に公安委員会って書いてるアレですか?)はい、そこの君。全く解っていませんね。それは同じ「公安」という字を使ってイマスが、全然違うものデス。
免許証に書いてあるのは「公安委員会」。そして、これから私が講義しようとしているのは「警察公安課(部)」のこと。インターネットを管理しよう(H10.6.14現在、まだしていない)としたり、オウムを監視したり、このサイトを監視したり(‥ヤベエって)するのは、「警察公安部(課)」の方デスね。では、「公安委員会」とは何か。これは、名義上「警察」の上にある、とされているもの。日本は一応「民主主義」となっているもんで、警察だろーが自衛隊だろーが、内閣の下にある、ということになっているのデス。だから免許はこれ名義で発行される。
で、この「公安委員会」の中で一番偉いのが「国家公安委員会」、その委員長は(普通)自治大臣。だから、法律上は、警察の中で一番偉いのは自治大臣、という事になりマスが、自治大臣は忙しく、複雑な警察業務なんてやってらんないので、事実上一番偉いのは「警察庁長官」ということになりマス。だから、この「公安委員会」てのは、日本は民主主義だ、っていうアリバイみたいなもの。実際に何をしているという訳ではありません。何もやってません、ホント。
あ、ここで「警察庁」と「警視庁」の違い、復習しましょうね。「警察庁」とは、日本の全ての警察を統括する国家機関。「警視庁」は、「東京都警察」のこと。東京都だけは、何故か「神奈川県警」「岡山県警」と言わずに「警視庁」となりマス。だから、偉いのは「警察庁」のほうデスね。
で、問題は「警察公安課(部)」のほう。東京警視庁だけは何故か「部」で、あとは「課」。これって何なのか。実は、これのもとは戦前の「特高警察」。オイオイ、日本は戦後民主主義になったんだろ、そんなもん残ってるワケねーだろ、っと思うのが民衆のほのぼのさ。仮にも「国家」ならば、大なり小なり「秘密警察」ってもんはあるんデスよ。
戦後、一応「言論・思想の自由」ってのが出来て、共産党も非合法でなくなったワケですが、旧ソ連がだんだん力をのばして来るにつれ、西側も共産党を放っておくワケにもいかなくなってきた。だいたい、1960年前後から、実際に爆弾テロ(共産党は、テロリスト達は共産党員と認めていないが、国家は共産党の仲間だ、としている。国家と共産党、どっちが本当の事を言っているかは謎)等も起き始めてきたし。そこで日本政府が作ったのが「破壊活動防止法」(通称破防法)と、「警察公安課(部)」。まあ公安課は、それ以前にもあったかもしれないデスが。何せ秘密警察デスんで、詳しいことは何も解らないんデスよ。
普通、警察の行う仕事は、「事件が起きてから、その犯人を探す」のデスが、公安課の仕事は「事件が起きないようにする」のが仕事。もっと生々しく言うと、「共産党の監視」が本来の仕事。ただ、戦前だと「治安維持法」って便利な法律があって、共産思想を持ってる疑いダケで拷問して殺しても良かったんデスが、現在はその法律はない。「破壊活動防止法」にしたって、集会を禁止するくらいの効力しかない。では、どうするか。
あまり誉められない捜査の方法に「別件逮捕」という奴がありマス。殺人の疑いがあるんだけど、証拠がない。だから、ずーっとそいつの張り込みを続けて、立ち小便か何かした所を、とりあえず軽犯罪法で現行犯逮捕。で、逮捕してから、じっくり殺人のことについて取り調べる、ってヤツデス。公安課は、これをフルに利用する。オウムの時もあったでしょ、ホテルのチェックインに偽名を使ったから私文書偽造で逮捕、ってやつ。オウムは共産党とは関係ないけど、「またなにか事件をやらかす」恐れは充分にあったから、公安課が出てきたのでショウ。で、取り調べで、仲間の居場所を吐かせるって方法デス。これは特高の得意技。
で、そんなの、おれたちには関係ないよ、俺、共産党でもオウムでもないもん、という人がいるデショウ。ところが、大有り。インターネットのプロバイダーに、公安課OBを天下りさせよう、という動きがあるのデス。目的はもちろん、「犯罪の未然の防止」。銃や薬物の取り引きに使われる恐れを考えてのコトでしょう。ま、それ自体は、私は別に反対はシマセン。国家が直接プロバイダーを管理している国も多いデスし。
しかし、ここで疑問を持つ人がいる筈。「なぜ公安課のOBだけが天下り先を? 刑事課とか、生活安全課(昔の防犯課)の天下り先は?」実は、「公安課」というのは、キャリア(官僚)が行くエリートコース、となっているらしいのデス。キャリアは、何もしなくても自然に1〜2年で階級が上がっていきますが、常識的に考えると上の階級、警視とか警視正になると人数が減る筈。ここで、昇進しそびれたキャリアが出てくるのデス。こういうハズレたキャリアは、とっとと民間に天下りするらしい。ハズれキャリアは毎年必ず何人か出てくるので、どんどん天下り先を確保しなければいけない。そこで、プロバイダーが目を付けられたワケデス。
で、私の意見なんデスが、検閲やるならOBとか使うんじゃなくて、堂々と警察でやれよ。どーせ「表現の自由の侵害だ」とか言われた時に「あれはあくまで民間のやってることだから」って言い訳するつもりだろーが。検閲は国家の仕事だろう! 言い訳すんな! まるで日本人だぞ!
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